2004年4月23日(金曜日)盛岡地裁301号法廷。
原稿側:川島茂裕、弁護士2名。
被告側:青木繁富士大理事長、小山田了三富士大学長、弁護士1名。
傍聴席:26名着席。
1時10分開廷。本件の審理開始は1時20分。終了1時26分(手元の時計による)
2004年9月24日(金曜日)盛岡地裁301号法廷。
原稿側:川島茂裕、弁護士3名。
被告側:青木繁富士大理事長、小山田了三富士大学長、弁護士1名。
傍聴席:28名着席。
1時12分開廷。本件の審理開始は1時19分。終了1時28分(手元の時計による)
11月19日の第6回口頭弁論のご報告
(1)書面の確認
今回の法廷のもっとも重要な課題は、双方から証言申請者の氏名・内容を書いた証拠
申出書という書面を交換することでした。原告側からは、11月15日に提出済みで
す(証言申請者ご氏名は裏面をご覧ください)。被告富士大法人側からは、提出され
ませんでした。被告側からは、原告側の前回までに提出済みの書面への再反論の書面
でした。被告側弁護士が説明(言い訳)するに、学内清掃・警備を職務とする再異職
種配転時に集中して行なわれた理事長(現会長)・副理事長(現会長ご子息、現理事
長)・大学事務局長・総務部長らによる人権侵害事件(慰謝料700万円請求の根拠
となった)の認否をいまごろになって「まだ行なっていないので、次回までにその準
備書面を提出する」ということでした。
本来、解雇事件は、解雇された側(原告)には、解雇事由は説明できないので、解
雇した側(被告富士大法人)に説明・証明義務があります。ちょっと物騒な用語です
が裁判用語では「攻撃」といいます。「防禦」するのは、原告側です。それが逆転し
てしまっています。
(2)富士大法人側はいつまでに証言申請者名を明らかにするのか
今回、被告富士大法人側が、証言申請者名を書いた証拠申出書とそれに付属す
る陳述書をいつまでに提出できるか、という場面になったとき、被告側弁護士「3月」。
直後に傍聴席から「遅い」という不規則発言。7月の法廷の際に、裁判所(長)か
ら、時間がかかるので準備して欲しいと促されていました。裁判長は、3月では遅す
ぎると判断して、次回1月24日(月)の第7回口頭弁論時に「証人を決めて、その
後に陳述書を出してもらうという手順にしましょう」。その後で裁判長が「恐縮です
が、傍聴席からの発言はご遠慮願います」と紳士的にたしなめていました。
(3)なぜ、富士大法人側は、書面の提出が遅れるか
裁判迅速化法によると、第1審の訴訟手続きは「2年以内のできるだけ短い期間内
のこれを終局させ」るようにと定めています。富士大が引き延ばし作戦を行なってい
るのも事実ですが、訴訟を支えきれない、というのが本質のようです。でも油断せず
に万全体制でいきましょう。
第7回口頭弁論(’05年1月24日)、各証人が決まるー次回は’05年5月6日ー
原告側は、本人を含めて5人の名簿を第6回口頭弁論時に提出していました。
この日富士大学側では、牧野教授など4名の証人申請を行いました。 これに
対し、裁判長は証人は各3人、とりあえず各代表1名を決めて進めてはどうかと
提示し、原告側は池享一橋大学大学院教授、富士大学側は小山田学長と決
まりました。
次回審理は、主尋問ならびに反対尋問を含め、5月6日午前11時から午後4
時半までと決まりました。
10月31日、富士大学教育裁判の初口頭弁論が、盛岡地裁で一番広い301号法廷で開かれました。傍聴者数は、35人でした。記者席に空席があった以外、一般傍聴者席は、いっぱいになりました。
午後1時半少し過ぎに、裁判官3人が入廷してきました。裁判長は、これまでの2度に及ぶ仮処分事件で、川島完全勝訴の決定(判決)をかいてくださった同じ裁判官(長)でした。
起立、礼のあと、裁判長が、原告(川島)側菅原一郎弁護団長に向かって、「陳述しますね」、菅原弁護士「はい」。裁判長が、被告富士大理事長側坂口行洋弁護士に発言を促すために向いた直後、すかさず、菅原弁護士が、「意見陳述します」。
訴状にしたがって、この訴訟について、数枚のメモをもとに、概略を陳述されました。その中で、「本件は、(解雇事件では通常、慰謝料請求がないところ)損害賠償の請求が特徴である」と途中、前置きして、以下、次のように続けられました。
「労働法の常識を無視した乱暴な人事権の行使。被告・理事長グループの不当な仕打ちは、(訴状)第5に詳細に述べている。失礼極まりない理事長グループの勝手な運営を許さず、教育・研究権を守ることが、本件の特徴である。これによって、広汎な支援組織もできている。大学教員としての生命線を絶たれかねない事件である。」
いつも温厚な菅原先生が、このような表現を使われて陳述されるとは驚きました。私の意を十二分に汲んでくださって、思わず嬉し涙がでそうになりました。名陳述でした。向かい側の被告席に坂口行洋弁護士と並んで座っておられる青木繁理事長と小山田了三学長を見ましたら、終始、無表情でした。判決文の原案を執筆する左陪席の若い判事補は、身を乗り出して聞いていました。この間、約10分間。
菅原弁護士による意見陳述終了後、裁判長が、相手方弁護士に向くと、坂口弁護士は、「答弁書の通り。意見陳述に際しては、事前に連絡をいただくのが普通。裁判所の指揮については、双方に公平に扱っていただきたい」。
菅原弁護士の意見陳述が気にいらなかったようです。通常、第1回目の口頭弁論で、このような火花を散らす発言は、めったにあるものではありません(後述)。そこで、裁
判長が「次回期日に答弁書の意見陳述をしますか?」。
坂口弁護士「検討する」。
裁判長による書証の確認後、
坂口弁護士「求釈明書を明らかにしていただきたい(答弁書で求めている釈明書を原告側が早急に出せという意味です)」。
裁判官(菅原弁護士に向かって)「出しますか?」。
菅原弁護士「検討しておく。解雇事由がはっきりしない(解雇事由を主張した準備書面を早急に出せという意味です)」。坂口弁護士「求釈明書を待って、出す」。
菅原弁護士「解雇事由とかみ合わない(求釈明書の提出後といわず、早く最も大事な解雇事由を詳細に述べた準備書面を出してくださいという意味)」。
坂口弁護士「解雇事由は、12月20日までに出す」(なぜ、その日か不明。ひと月以上後、遅い)。
裁判官「20日は土曜日なので、19日ですね。それなら、次回期日は、12月26日ではいかがですか?」。
坂口弁護士「不都合(すでに予定が入っているという意味)」。
裁判官「1月16日は?」。
菅原弁護士「不都合」。
裁判官「1月23日はどうですか?」。
双方、よいということで、
裁判官「次回は、1月23日(金曜日)1時10分、301号で」(本日と同じ法廷)。1時50分、裁判官、退廷。